新着情報
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2025.04.30爬虫類の卵詰まり(卵塞症、卵胞鬱滞)
鳥類、爬虫類は哺乳類と異なり、卵で子孫を残します。卵が体内で形成され自然に出てくれれば良いのですが、卵が体内で詰まってしまい出てこれない状態になることがあります。こうなるとお腹が膨らんで苦しくなり、食欲も大きく減退します。 原因は多岐に渡り、産卵環境の問題、ストレス、生まれつきの骨格、栄養状態、初産など特定することが困難な場合も多い為、再発を予防することが難しく、重症化すると亡くなることもあります。 このレオパちゃんもお腹が膨らみ、食欲が落ちたことで来院されました。レントゲン上でお腹に大きな卵が確認された為、内科的に産卵を促しましたが排出されませんでした。 お腹を開けてみると、片方の卵管から卵が破れ出ており、腹腔内で炎症を起こしていました(卵墜性腹膜炎)。発達した卵胞も含めて切除し腹腔内を洗浄した所、2日後にはご飯ももりもり食べてくれるようになりました。
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2025.04.30股関節脱臼
足の付け根にある股関節が脱臼してしまうことがあります。こうなるとうまく歩けなくなる為、初めは手で元に戻し固定することを試みますが、股関節周囲の靭帯が酷く損傷している場合や骨に異常がある場合は手術が必要になります。 動物種によりますが、基本的には外的要因(交通事故や落下など)で脱臼は起こることが多いです。ただし犬やハムスター、ジリスなどの齧歯類の一部では元々股関節が浅いことや、股関節の変形をともなうことで収まりが悪いことがあり、そういった場合は加齢とともに筋力や靭帯が弱ることで脱臼を繰り返すことになります。 脱臼してしまった場合に行う治療としては大きく分けて、非観血的な方法と観血的な方法があります。非観血的な方法としては脱臼を整復したのちに包帯で固定を試みます。脱臼が腹側か背側かで固定方法は異なりますが、半数で再脱臼するリスクがあります。観血的な方法としては手術を行います。当院では股関節に変形が少ない場合は人工靭帯で関節を再建するトグルピン法を、股関節の変形が酷い場合は再脱臼のリスクが大きい為、大腿骨頭切除術を提案することが多いです。 トグルピン法で整復を行ったトイプードルの症例です。トグルピン法の利点としては術後の機能が回復が早く、元の状態に近い運動機能の回復が見込めます。欠点としては人工靭帯が関節が安定化する前に切れてしまうと再脱臼するリスクがあります。 続いては大腿骨頭切除術を行ったリチャードソンジリスの症例です。大腿骨頭切除術では完全な機能回復は難しく、元の6-7割の機能維持に留まります。小型犬やエキゾチック動物等、体重の軽い個体であれば日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。 患者様ごとの股関節の状態で適切な方法を提案させていただきます。人工股関節を設置する必要がある場合は、本州の実施可能な病院を紹介させていただくこともございます。
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2025.04.14臨時休診のお知らせ
こんにちは、きたなか動物医院です🐶 平素は格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。誠に急ではございますが、身内の不幸のため、4/16(水)は終日休診とさせていただきます。 既にご予約いただいている方には本日以降個別にご連絡差し上げますので、ご予約の変更をお願いいたします。 ご心配、ご迷惑をおかけすることになりますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします🙇 ※獣医師の診察はできかねますが、お電話は繋がりますので、継続治療をされている患者様に限り予防薬、内服等の受け取りは愛玩動物看護師による対応が可能です。
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2025.03.18犬猫の外耳炎
人と同様に犬や猫も外耳炎になることがあります。多くは皮膚に何らかのトラブルがある子で起こりやすく、中には異物による刺激や誤った耳のお掃除でなってしまう子もいます。 治療としては点耳薬が良く使用されますが、今回誤った点耳薬の使用で難治化した外耳炎の猫ちゃんが来院されたので紹介します。 2ヶ月前に耳を痒がるようすがあり、耳垂れもでていたため病院で外耳炎と診断され、2ヶ月の間ずっと点耳薬を使用していたが良くならないとの主訴で来院されました。慢性化しており鼓膜の状況も分からなかった為、耳の内視鏡を実施した所、点耳薬の成分が耳道内に固着しており、鼓膜が破れて鼓膜付近で炎症を起こしている様子がみてとれました。 耳道内を洗浄し、可能な限り綺麗にしたのが次の写真です。 洗浄後は点耳治療をやめて、内服投薬に切り替えたところ劇的に改善し、2週間で治療は終了としました。 今回の症例は中耳炎や内耳炎に伴う神経症状などはありませんでしたが、外耳炎からより耳の奥の炎症に発展することも多く、特に鼓膜に穴が空いている場合は点耳薬は禁忌です。 この症例以外にも異物や毛詰まり等、慢性化する外耳炎には理由があることが多い為、治療をしても2週間以上改善がない場合や繰り返す場合は一度詳しい検査をされることをお勧めします。
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2025.03.07休診のお知らせ
こんにちは。きたなか動物医院です🐶 休診のお知らせです。 4月12日(土)〜4月14日(月)は休診とさせていただきます。 内服等のお受け取りが必要な方はお早めににご連絡ください。皆様には大変ご不便をおかけしますがよろしくお願いいたします。🙇♂️
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2025.02.24猫の尿管腎臓結石
猫の尿管はとても細く小さな結石でもすぐに詰まってしまいます。こういった結石に対して外科的に摘出手術をすることもあれば、摘出が難しい場合にはステントや皮下尿管バイパス(SUB)システムといった人工尿管を設置することもあります。ただし人工尿管に関しては設置後の膀胱出血などの合併症の問題や、耐用年数が8年程と決まっているため、設置時の年齢によっては将来的に交換の必要が出てきます。そのため当院ではできる限り動物自身の組織を使用して尿管の修復を行うことを目指しています。 他の病院で一年前に尿管のステントを設置してそれが破綻した猫ちゃんのレントゲン写真です。腎盂に結石があり、ステントが腎臓まで届いていませんでした。摘出したステント周囲には結石が多数付着しており完全に閉塞していました。(青線が腎臓、黄色破線がステント、赤線が術前に設置した腎瘻チューブ、黄線が結石、緑線が膀胱になります) 膀胱と腎臓を残った尿管で繋げて、腎盂の結石を摘出しました。術後のレントゲン写真では腎盂の結石がなくなり、ステントも抜去していますが、ステント周囲に付着した結石が遊離した尿管に残っています。尿管は2〜3cm程度あれば膀胱と接続できるため、当院ではSUBシステム設置の前にこの方法を提案しています。ステント設置は結石の問題が将来確実に生じるため当院では行っておりません。 尿管の動きがステントの影響で悪くなっていたため心配はありましたが、術後は腎盂の拡張と腎数値の悪化は落ち着きました。 もしも腎泌尿器に関してお困りのことがありましたら一度ご相談ください🙇
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2025.02.10休診のお知らせ
こんにちは。 きたなか動物医院です🐶 休診のお知らせです。 3月15日(土)〜3月17日(月)は休診とさせていただきます。 内服等のお受け取りが必要な方はお早めにご連絡ください。 皆様には大変ご不便をおかけしますがよろしくお願いいたします。🙇🏻♀️
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2025.02.08レーザーによる腫瘍の緩和治療
当院では様々な理由で外科手術によって腫瘍を取り切れない場合にレーザー治療を行う場合があります。 写真のモルモットちゃんは頭部に腫瘍ができ、他の動物病院で切除が難しいと診断され、当院にいらっしゃいました。腫瘍が大きくなりすぎて頭は傾き、動きも緩慢になっていました。切除するには耳も含めて広範囲な頭部感覚器の切除が必要になるため術後の生活に影響が出てしまいます。飼い主様と相談した結果、根治は望めなくても腫瘍の縮小を望まれたので、半導体レーザーによるICG治療を提案しました。 何回かレーザー治療を繰り返す中で2ヶ月前後で腫瘍は小さくなっていきました。治療中この子の体調は安定しており、食欲が落ちることはありませんでした。 今では毛も生え、元々の腫瘍が大きかったため皮膚にひきつれが生じてはいますが、気にならない程度に落ち着いています。飼い主様も大変御喜びになり、諦めずに良かったと思える症例でした👏 動物も高齢化が進んでおり、この子のように腫瘍に苦しむ子は多く、特に小動物では切除のために麻酔をかけることも難しい場合があります。そのような場合でも少しでも苦痛を取り除けるように体になるべく負担の少ない治療を提案しております。
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2024.12.05犬の腫瘍②(乳腺腫瘍)
年をとると動物も人と同じように癌にかかることが増えてきます。早くに発見できれば根治も見込める為、それぞれの動物の平均寿命の半分を過ぎたあたりからは定期的な健診をおすすめします。 今回はそのような癌の発見に少しでも早く気付けるように、当院に来院された小さながんサバイバーたちをご紹介していきたいと思います。 今回紹介する子は避妊手術を受けておらず、7歳くらいから胸にあったしこりが急に大きくなった為来院されました。 乳腺は腫れ、硬くしこりになっており血混じりの乳汁分泌が見られました。左右の乳腺両方に腫瘍が生じており、動きづらそうでもありました。 手術を行い、左右の乳腺の全摘出と避妊手術を行いました。術後の経過は良好で10日前後で抜糸を行い、終了としました。 当院ではワンちゃんの避妊手術は6ヶ月齢前後での実施をお勧めしています。その理由は女の子特有な病気である子宮蓄膿症と乳腺腫瘍の予防のためです。乳腺腫瘍は7カ月齢未満に避妊手術を行うとほぼ100%予防できます。初発情を終えた後は概ね毎年10%程度ずつ予防率は下がっていってしまう為、子供を考えた場合でも2〜3年以内には避妊手術を受けられることが望ましいと考えています。
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2024.12.02年末年始休診のお知らせ
こんにちは。きたなか動物医院です🐶 🎍年末年始休診日のお知らせです🎍 12/31(火)〜1/3(金) 休診 となっております。 処方されています内服薬の残量はお早めのご確認をお願いいたします。また、フード・予防薬のご注文は業者さんもお休みになる為、12/20(金)までにご連絡お願いいたします。 皆様には大変ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。
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