齧歯類やウサギの歯は常生歯といって常に伸び続けており、食べる過程で削れていきます。常生歯の歯根部分が化膿すると骨にまで影響を及ぼし、骨が硬く肥大することがあります。この状態になるとご飯は食べれなくなり、骨が変形し正常な噛み合わせもできなくなる為、大変な影響を受けることになります。
下の写真のチンチラちゃんは顎が腫れてきたとのことで来院されました。見てみると顎にコブができており、白い膿が出続けている様子でした。噛み合わせもおかしく、流動食しか食べれない状況になってしまっていました。



治療は原因となる化膿巣を除去し、感受性のある抗生剤を投薬する以外にありません。下顎の切削と抜歯を提案しました。
術後はしばらく腫れは続いていましたが、徐々に落ち着き、今では牧草を食べれる様になるまで回復してくれました。
ただ残念なことに顎の骨を削っている為下顎の歯はもう生えてはきません。上顎の歯が伸び続けてしまう為定期的に歯切り処置を行いながら注意深く見守っていきたいと思います。


