皆様は緑内障という病気をご存知でしょうか?様々な理由で目の内部の圧力が上昇し、痛みや不快感で目が開けられなくなったり、目を気にしてこするような仕草がみられます。緑内障になると程度にもよりますが、最悪の場合失明することもあるため早期の対応が必要になります。
緑内障はその原因によって続発性緑内障と原発性緑内障に大きく分けられます。続発性緑内障は眼圧を上昇させる基礎疾患があるため、基本的に治療としては基礎疾患の治療を行いながら、必要があれば並行して内科的な眼圧コントロールを行っていきます。一方で原発性緑内障は目の構造自体に異常を生じることで眼圧の上昇が起こるため、内科的な眼圧コントロールが難しくなる場合が多く存在します。
当院では内科的な点眼による治療が難しい場合に外科的な治療も行っております。外科的な治療としては1. レーザーによる毛様体凝固術、2. シリコンボール義眼挿入術(ISP)、3. 眼球摘出術の3つを主に行っています。
1.レーザーによる毛様体凝固術:半導体レーザーを使用して眼房水の産生を阻害することで眼圧の上昇を抑える手術になります。メリットとしてはもともとの目を残せる点と費用が安価であることです。デメリットとしては再発する可能性や効果が期待できない場合があることです。
2.シリコンボール義眼挿入術(ISP):目の内部組織を取り出して変わりにシリコンボールを挿入します。元の目を残すことはできませんが、眼圧の上昇に伴う痛みから解放されるため、以前より元気になったとお話しを聞くことが多いです。メリットとしては見た目が元の状態に近い状態を維持できることです。デメリットは場合によってはドライアイや目のケアのために、点眼が一生必要になる可能性があることがあげられます。
3.眼球摘出術:目の組織をすべて取り除き、皮膚の縫合を行う手術です。メリットとしては目自体がなくなるため、点眼の必要はなくなります(原発性緑内障の患者さんは反対側の目も同様に緑内障になる可能性が高いため反対側の目に予防的な点眼をお願いすることもあります)。デメリットとしては顔貌が大きく変化することです。
緑内障は早期の対応が必要な緊急疾患です。目の異変を感じられた場合はご相談ください。