猫の尿管は細く、尿石が生じることで詰まってしまうことがあります。これに気付かずにいると腎臓から膀胱へ尿が運ばれなくなり、腎臓が水風船のように膨らむ「水腎症」と呼ばれる状態になってしまい急性腎不全を引き起こします。
下の写真は手術前と手術後の腎臓のエコー画像です。黒い部分が尿ですが、腎臓がパンパンに腫れているのがわかります。
この猫ちゃんは長い間尿管結石があることが分からず、他の病院で慢性腎不全の治療として点滴をおこなっていた子でした。一度水腎症になってしまうと基本的に元の腎機能には戻りません。尿管結石が見つかった場合はすぐに手術をして結石を取り除く必要があります。
手術をする前と後で尿管造影検査を行いますが、術後は青丸で示した腎臓から赤線の尿管を経て黄色で示した膀胱に造影剤が流れているのがわかります。
術後は点滴の必要もなく、元気に過ごされている猫ちゃんを見て、本当に良かったと思います。