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犬の腫瘍①(肝臓腫瘍: 結節性過形成)

年をとると動物も人と同じように癌にかかることが増えてきます。早くに発見できれば根治も見込める為、それぞれの動物の平均寿命の半分を過ぎたあたりからは定期的な健診をおすすめします。

今回はそのような癌の発見に少しでも早く気付けるように、当院に来院された小さながんサバイバーたちをご紹介していきたいと思います。

犬の肝臓腫瘍は無症状なことも多く、見つかった時にはすでに大きくなってしまっている場合が多く見られます。今回のワンちゃんも2年ほど前からお腹が張っているように思われていたようですが、病院でも指摘されなかった為気付かなかったようでした。

ぐったりしてご飯を食べないとの主訴で来院されたので各種検査を行ってみると、肝臓に大きな腫瘍があり、そこから腹水が生じているようでした。腹水が血様だった為開腹手術を実施したところ、肝臓の内側右葉が肥大し、壊死したところから出血していました。

肥大した肝葉ごと腫瘍を切除し、方形葉、尾状葉にも腫瘍性の変化が見られた為、部分切除を行いました。腫瘍を割ってみると多量の血液が出てきた為、悪性の腫瘍を覚悟していましたが病理検査の結果は結節性過形成という良性の腫瘤でした☺️

その後は体調も順調に回復しています。他の肝臓の部位にもびまん性に腫瘤が存在していた為、今後これらが壊死しないか注意深く見守っていきたいと思います。

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